セレンを多く含む商材は穀物、肉、魚介類。野菜ではニンニクが比較的多いです。セレンは微量ミネラルで、抗酸化物質として老化防止の作用があり特殊な働き方をしている成分であります。人生100年時代をQOLを伴って生き抜くには知っておいてほしい知識です。
加齢とともに減少するミネラルのセレン。
体内のセレンは加齢とともに徐々に減少し例えば60歳では7%減少し75歳になると24%も減少します。
セレンの減少は免疫機能を低下させ癌、心臓病や感染症になり易くします。
セレンは抗酸化作用があり、またグルタチオン・ペロキシダーゼという酵素を生成するために必要で、このグルタチオン・ペロキシダーゼは活性酸素が脂質を攻撃して酸化するのを中和によって防いでくれます。
これらがセレンに老化防止作用があるとされる理由です。
セレンの癌の予防効果。
アリゾナ大学の研究で高齢者1700人を対象に調査を行いセレンの血中濃度が低い人は直腸癌のもとになる可能性にあるポリープが出来やすいことを発見しました。
具体的にはポリープが出来ている人の三分の一がセレンの血中濃度が低く、セレンの血中濃度が高いひとのうちポリープのある人は9%であったと発表しています。
またアメリカ国立研究協議会では、セレンは、乳がん、直腸癌、肝臓がん、皮膚がん、肺がんなどの癌予防効果を持つと報告しています。
また肺がんに関しては、ドイツで高齢者3000人を対象にした研究でもセレンを豊富に含む食事を摂ることで、肺がんになる確率が半分になったと発表しています。
セレンの心臓病に対する効果。
フィンランドの研究では、セレンの血中濃度が低いい人は、高い人より心臓病で死亡する確率が3倍に上がるという発表があります。
これに関係して、セレンの血中濃度を下げればさげるほど動脈が塞がれることをレントゲンで確認した報告があります。
セレンの心臓病に対する効果は、心臓病の原因の血栓のもととなる血小板の凝固を防ぎ、さらに悪玉コレステロール(LDL)の酸化を防いでいると思われています。
セレンの抗ウイルス効果。
アメリカ農務省の研究では、セレンとビタミンEが不足している餌で飼育されてネズミは、無害だったウィルスが心臓の筋肉に大きなダメージを与える有害なウィルスに変異したという。
ビタミンEとセレンが不足すると抗酸化作用が減少しウィルスの変異を許してしまったわけです。
さらにセレンはエイズウィルスに対しても効果があります。
ジョージア大学のW・テイラー博士によるとエイズウイルスが体内のセレンを消滅させ、セレンが消滅すると感染していた細胞からウィルスが飛び出し健康な細胞を攻撃し、これを繰り返し増殖していくことが分かったといいます。
これは、セレンがある間はウィルスは自己を複製するのに必要なタンパク質を生成されるのを抑制するためと考えられています。
セレンを含む食品。
セレンを多く含む食品は、穀物、肉、魚介類だが、野菜ではニンニクが比較的多い。
癌予防のためには、一日100~200μgを推奨している学者もいます。
ですがセレンは微量ミネラルなのでサプリなどでの過剰摂取には注意が必要で過剰摂取で問題になるのは成人で400μg位です。
通常は30μg程度で十分とされています。
セレンの精神安定効果。
セレンには不安を取り除く精神安定効果があり、セレンの投与で不安、落ち込み、疲労感が軽減したという研究報告があります。
また他の研究では、高齢者にセレン、ビタミンE,その他抗酸化物質を複合して投与し、脳への血流が増し、気分や心的機能が顕著に改善したという報告があります。
やはり、セレンが不足すると免疫だけでなく精神的にも影響がでるという結果なので、セレンの摂取に関しては、バランスのとれた食事を心がけ自然の食物から摂取するのが基本でしょう。
セレンはビタミンEやSOD(スーパーオキシドジスムターゼ)などとともに抗酸化作用を体内で行う大切な微量ミネラルで通常は体重1Kgあたり250μgのセレンが体内に常時保たれています。
抗酸化の働き以外ではアスコルビン酸の再生や甲状腺ホルモンの活性化の働きも知られています。
アスコルビン酸は体内でビタミンCとして作用します。
まとめ。
今回は「老化防止作用があるセレンにいて!」というテーマでお送りしました。
最後までご覧いただきありがとうございました。
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